フランチャイズ本部選び ⑥好きが妨げに?

※「フランチャイズ」=「FC」と記載しています。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがあります。
好きなことだからこそ熱心に取り組めるという考え方は、多くの場合その通りです。
しかし、FC加盟では必ずしも当てはまるとは限りません。
実は、「好きだから」という理由だけで業種を選んでしまうと、かえって失敗するリスクが高くなることがあります。
「好き」が経営の妨げになることも
FCは、成功しているビジネスモデルを再現することで利益を生み出す仕組みです。
そのため、加盟オーナーには、本部が築き上げてきたルールやマニュアルに沿って店舗を運営することが求められます。
一方で、その業界へのこだわりが強すぎる人ほど、
「自分ならもっとこうしたい」
「この商品やサービスのほうが良いのではないか」
という思いが強くなり、本部の方針とのズレが生まれやすくなります。
FCでは、自分の理想を追求することよりも、実績のある仕組みを忠実に実践することが成功への近道です。
「お客様が求める店」と「自分が好きな店」の違い
例えば、大のコーヒー好きの人がカフェのFCに加盟したとします。
コーヒー豆や焙煎方法、抽出方法に強いこだわりがあったとしても、FCでは本部が決めたメニューや提供方法に従わなければなりません。
「自分ならもっとおいしくできるのに」
「この豆を使いたい」
そんな思いを抱えながら働き続けることがストレスになり、結果として経営そのものが苦しくなってしまうケースもあります。
FCで目指すべきなのは、自分好みのお店ではありません。
地域のお客様から選ばれ、利益を生み出せるお店をつくることです。

「好き」は成功してから形にする
もちろん、「好きなことを仕事にしたい」という気持ちは決して悪いことではありません。
人生は一度きりです。
自分の夢や理想を実現したいという思いは、とても大切です。
だからこそ、私がおすすめしているのは、順番を逆に考えることです。
まずは、FCの仕組みを活用して、しっかり利益を生み出せる店舗をつくる。
そして、経営が軌道に乗り、複数店舗を展開できるようになってから、自分の理想を形にした店舗へ挑戦するのです。
「好き」を活かすタイミング
例えば、FC加盟によって5店舗、10店舗と事業を拡大し、安定した経営基盤ができたとします。
その段階で11店舗目として、自分のこだわりを詰め込んだ店舗を出店するという考え方もあります。
すでに安定した収益基盤があれば、新しい挑戦にも余裕を持って取り組めるでしょう。
FC加盟は、夢を諦めるための仕組みではありません。
夢を実現するための土台を築く手段でもあります。
「好きだから始める」のではなく、「成功してから好きなことに挑戦する」。
その視点を持つことで、FC加盟の成功率は大きく高まるはずです。
宮嵜太郎