フランチャイズ本部選び ③役割を明確に

※「フランチャイズ」=「FC」と記載しています。
FC本部を選ぶ際、特に事業型FCで重要なのが、「本部と加盟オーナーの役割分担が明確になっているか」という点です。
FCでは、本部からさまざまなサポートを受けられます。
しかし、「どこまで本部が対応してくれるのか」「どこから先は加盟オーナーの仕事なのか」が曖昧なままだと、契約後に「そんな話は聞いていない」「そこまでやってもらえると思っていた」といったトラブルにつながる可能性があります。
契約前に役割分担を確認
例えば、飲食店のFCに加盟する場合、店舗を開業して運営していくまでには、さまざまな作業が発生します。
その一つひとつについて、「本部が担当するのか」「加盟オーナーが担当するのか」を事前に確認しておく必要があります。
例 オープン前の業務
- 保健所への事前申請と審査はどちらが担当するのか。
- 不動産物件探しと物件契約、鍵の受け取りはどちらが行うのか。
- スタッフの採用と研修はどちらが行うのか。
- スタッフの採用と研修を加盟店側が行う場合、本部はどの程度サポートしてくれるのか。
- 初回発注リスト作成はどちらの責任で行うのか。
例 オープン後の業務
- 加盟店側の日報提出について、本部はどの程度サポートしてくれるのか。
- 商品やブランドの入替はどちらがどのように決めるのか。
- 何らかのトラブルで損失が出た場合、どちらがどのように責任を負うのか。
特に、出店準備から開業後の店舗運営まで、どこまで本部のサポートが受けられるのかを具体的に確認しておきましょう。
「サポートします」という説明だけでは不十分です。
何を、誰が、いつまでに行うのかまで明確にしておくことが重要です。

曖昧な役割分担がトラブルの原因に
役割分担を曖昧にしたまま出店すると、問題が発生した際にトラブルへ発展する可能性があります。
「これは本部がやってくれると思っていた」
「いや、それは加盟店側の責任です」
このように、お互いの認識が食い違ってしまうと、責任の押し付け合いになってしまいます。
場合によっては、重大な契約トラブルに発展し、最悪の場合には訴訟にまで至るケースもあります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、契約前の確認が非常に重要です。
不明点は積極的に確認
FC本部から役割分担について明確な説明がない場合は、加盟希望者側から積極的に質問しましょう。
「これは誰が対応するのか」
「費用はどちらが負担するのか」
「トラブルが発生した場合は誰が対応するのか」
など、少しでも疑問に感じたことは、そのままにしないことが大切です。
また、口頭で確認するだけではなく、重要な内容については契約書や覚書などの書面に残しておくことも重要です。
「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、契約前にできるだけ具体的な形で確認しておきましょう。
なお、私自身がFC本部を運営する際にも、加盟店との認識のズレを防ぐため、契約前に役割分担を細かく確認しています。
例えば、次のようなチェックリストを用意し、本部と加盟店のどちらが担当するのかを一つひとつ確認します。

FC本部と加盟オーナーは、長く一緒に事業を進めていくパートナーです。
だからこそ、「本部がやってくれるだろう」「これは加盟店がやるものだろう」といった曖昧な認識のまま契約するのではなく、契約前にお互いの役割を明確にしておくことが大切です。
FC本部選びでは、加盟金や収益性だけでなく、「契約後にどこまでサポートしてくれるのか」「自分は何を担当するのか」まで確認すること。
このひと手間が、加盟後のトラブルを防ぎ、良好な関係を築くための重要なポイントとなります。
宮嵜太郎